どっかの漫画的には及ばない、けどアレな展開
家族水入らず、食卓を囲んで晩飯の「毛ガニ」つついていたときのことでした。
電話がかかってきて、親父さんが受話器を取る。
なんとなくセールスなのかな、と思っていた矢先。
「メロンブックスから、お前」
・・・・・・・・・・・・。
はいぃいい?!!
いやいや。
ちょっとマテ。
何で?
しかもオレに?
身に覚えなんか、
・・・・・・ある。
「 (―――――― “Fate”、か ――――――) 」
もはや忘れていた。
一ヶ月前、
それを予約した覚えはある。
でも、発売当日までに「あー、金ないや」とあきらめることにした「アタラクシア」、買えないという「運命」なんだどーでもいいや、執着心のカケラもない僕。
(※主題歌CDがオリコン載っちゃった話題のアレです)
あれからちょうど一週間。
まさかくるとは思っていなかった予約先からの電話。
家族はものすごく不審な表情。ヤメて。
「もしもし」
「はい、こちらメロンブックス仙台店の・・・・・・」
頭の隅の記憶層に押しのけて、つまり忘れていたブツ(アタラクシア)の件で電話してきた仙台店定員A。
あのー、家族がいる前で音漏れるくらいでかい声でしゃべらないでください。頼むから。
※このとき、電話機音量MAXに気づかない
「ご予約された本人ですか?」
「そうです」
「ご予約の商品、受け取り日から一週間過ぎておりますが」
「そうですね」
「いつお受け取りになりますか?」
「あー、それね、キャンセルできますかできるはずできるならしろうむをいわさずしろ」
「・・・・・・できません」
「なんと」
「あーたらがこーたらでそーたらだから」
つまり、もうキャンセルできねーんだよ買えよボケ、ということ。嗚呼、なんてこと!
「いつお受け取りになりますか」
ピンチ。手元に7000円ない時点で買えないことは明白だ。しかし、キャンセルできないとなるともう後に引けないのではないか? 南無三! ならばしかたがない。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・一週間ぐらいですかね・・・・・・」
「少々お待ちください」
♪~~~
無機質に流れる保留音。判決を受ける囚人のように、心臓が早鐘を打っておりました。
「では一週間のうちにご来店ください」
「は、はあ」
「それでは失礼します」
ガチャ。
はぁぁ・・・・・・
肩を落としつつ、受話器を置く。
ヤヴァイ。
その後、親から散々詰問されます。
何買う気だったの? ゲーム? どんなゲーム? 買えないならキャンセルしなさい。 できない? できる、お前は未成年だから。 わたしから言いましょう。 必要ない? 一体なにを買・・・・・・
あの、それね。
言えるわけないじゃないですか、ははは。
買いますから、なんとかして。
どんなゲームかって教えられるわけないでしょう?
ほら、アレ、だから。
わかってください。
未成年は非力でございます。
自分だけでなんとかしますから、貯金とかおろして。
だから、これ以上かかわらないで。
親を思う子の気持ち、汲み取ってください。
※近頃の若者は自分の主張しかしません。
言えない、未成年ダメよゲームを買おうとして、しかも取りに来いと催促されているなんて。
ちなみに、空人は満18歳になっておりますから、何の問題もありませんよ。
永劫の質問攻めに、もやは苦笑して誤魔化すほかありませんでした。
皆さんも、誰にも知られたくないような買い物には注意してくださいね。